12月3日(水)に放送された『ESCAPE それは誘拐のはずだった』第9話。
「怖い」「辛い」という感想が飛び交っていますが、今回は単なるサスペンスの枠を超えた、重厚なヒューマンドラマが描かれていましたね。
特に注目すべきは、林田大介と母・智子の間に横たわる「共依存」という深い闇。 そして、その闇を切り裂くかのような八神結以の「覚悟」と、戦慄の「別れのキス」……。
セリフの一つ一つに、最終回へ向けた重要なメッセージが隠されていたように感じます。
この記事では、第9話の展開をなぞるだけではなく、登場人物たちの心理描写や伏線の意味を徹底考察。
なぜ山口健二はあそこまで怖いのか?
二人の愛は「呪縛」に勝てるのか? 最終回の結末を占うカギを、一緒に読み解いていきましょう。
第9話は”家族の物語”だった|大介と母・智子の共依存
12月3日に放送された第9話、皆さんはどんな気持ちで受け止めましたか?
これまでのサスペンスフルな逃亡劇という側面も強かったですが、今回は林田大介という人間が抱える、あまりにも重い「家族」というテーマが前面に押し出された回でした。
これまで物語の端々で描かれてきた、大介と母・智子の歪な関係。
ギャンブル依存症の母を支え、借金を肩代わりし、それでも母を見捨てられない息子。
この「共依存」の構図が、今回の拉致監禁事件の引き金となってしまいます。
見ていて胸が締め付けられたのは、智子が悪いと分かっていても、彼女自身も弱く、誰かにすがるしか生きられない悲哀が滲み出ていたからではないでしょうか。
SNS上でも「親子の縁は切れないのが辛い」「大介の優しさがここでは弱点になってしまう」といった、共感とやるせなさが入り混じった感想が多く見られました。
サスペンスの緊張感の中に、逃れられない血縁の業(ごう)のようなものを見せつけられた気がします。
(出典:ESCAPE それは誘拐のはずだった 公式サイト ストーリー)
「別れのキス」の意味を読み解く
そして、視聴者の涙腺を崩壊させたのが、あの「別れのキス」のシーンです。
あれは単なる恋愛感情の高まりではなく、大介なりの「決別」と「贖罪」が込められていたように感じます。
自分と一緒にいれば、八神結以まで巻き込んでしまう。
母という泥沼に彼女を引きずり込みたくない。
そんな大介の悲痛な叫びが、言葉ではなくあの口づけに集約されていました。
佐野勇斗さんの、愛おしさと諦めが同居したような瞳の演技は圧巻でしたね。
受け入れる結以(桜田ひよりさん)の表情も切なく、「離れたくないけど、彼の想いも分かる」という葛藤が手に取るように伝わってきました。
大介は”母に縛られた少年”から”自分の人生を選ぶ大人”へ
第1話の頃の大介を覚えていますか?
最初はただ流されるまま、状況に翻弄される頼りない青年でした。
しかし、結以との逃避行を経て、彼は明らかに変わりました。
今回の第9話で彼が見せたのは、母を守るため、そして結以を守るために自ら死地へ飛び込む覚悟です。
それは決して「母に縛られたまま」の行動ではなく、自分の大切なものを守るために「自ら選んだ」行動だったはず。
共依存という鎖に繋がれながらも、必死にそこから立ち上がろうとする大介の成長曲線に、私たちは惹きつけられずにはいられません。
八神結以の変化|守られる存在から、選ぶ存在へ
変化したのは大介だけではありません。
深窓の令嬢として、ただ守られるだけの存在だった結以もまた、この第9話で強烈な意志を見せつけました。
霧生夫妻(霧生京・忍)という安全地帯にいれば、彼女は確実に助かったはずです。
それでも彼女は、大介と共に地獄へ向かうことを選びました。
それは「誘拐された被害者」という受動的な立場を完全に捨て、「運命を共にするパートナー」として覚醒した瞬間でもあります。
桜田ひよりさんが見せる、儚げな外見とは裏腹な、芯の通った強い眼差し。
あの目が、このドラマを単なるサスペンスから重厚な人間ドラマへと昇華させています。
(出典:ESCAPE それは誘拐のはずだった 公式サイト キャスト・スタッフ)
「一緒に行く」と言った彼女の決断
霧生夫妻の制止を振り切って「行きます」と告げたシーン。
あれこそが、結以が本当の意味で「ESCAPE(脱出)」した瞬間だったのかもしれません。
何から脱出したのか?
それは「決められたレール」や「無力な自分」からです。
たとえその先にあるのが山口健二という恐怖であっても、愛する人と共にいることを選ぶ。
一見無謀に見えるその行動こそが、彼女が手に入れた「自由」の形なのかもしれません。
SNSでも「結以ちゃんの覚悟に泣いた」「これはもう共犯じゃなくて純愛」といった声が溢れ、彼女の選択を支持する視聴者が続出しました。
山口健二という”恐怖の象徴”|暴力と支配のキャラクター分析
この感動的な二人の絆を、物理的な暴力で粉砕しようとするのが山口健二です。
第9話の彼は、もはや人間というより「災害」のような恐怖の象徴でした。
なぜここまで怖いのか。
それは彼に「ためらい」や「道徳」が一切感じられないからです。
大介たちをスタンガンで沈め、淡々と監禁の準備を進める姿には、感情の起伏が見えません。
その無機質な狂気を演じる結木滉星さんの演技力が凄まじい。
普段の爽やかな役柄とのギャップも相まって、視聴者に「生理的な恐怖」を植え付けることに成功しています。
「大介と結以の精神的な繋がり」VS「山口の圧倒的な暴力」。
この対比が鮮明だからこそ、私たちは画面の前で祈るように二人を応援してしまうのでしょう。
(出典:ORICON NEWS)
最終回への伏線と予想|2人は引き裂かれるのか
いよいよ物語は、次週の最終回へと雪崩れ込みます。
第9話のラスト、絶体絶命のピンチで終わったわけですが、ここからハッピーエンドへの逆転劇はあるのでしょうか?
個人的に気になっているのは、タイトルにある『ESCAPE』の意味です。
単に警察や誘拐犯から逃げることだけを指しているのではない気がしてなりません。
親からの自立、過去のトラウマからの解放、そして社会のしがらみからの脱出。
二人が本当の意味で自由になるためには、この地獄のような夜を越えなければならないのです。
(出典:ESCAPE それは誘拐のはずだった 公式サイト)
結末は救いのある終わりか、それとも…?
SNS上では「どうか二人を死なせないで」「霧生さんが助けに来てくれるはず!」という希望的観測と、「この流れだとビターエンドもあり得る…」という不安の声が入り乱れています。
脚本家の意図としては、安易なハッピーエンドよりも、心に棘が残るような、でも確かな希望が見える結末を用意しているのではないでしょうか。
大介が智子との関係にどう決着をつけるのか。
そして、結以と大介は「逃げ切る」ことができるのか。
どんな結末であれ、二人の選択を最後まで見届けたいと思います。
まとめ
第9話は、アクションやサスペンス要素以上に、登場人物たちの心の叫びが聞こえてくるような、感情揺さぶられる1時間でした。
共依存という鎖を断ち切ろうともがく大介と、彼を支えようと覚悟を決めた結以。
二人の愛は、山口という最大の理不尽に勝つことができるのでしょうか。
次週、すべての伏線が回収され、二人の旅に答えが出ます。
ハンカチを用意して、震えながらその時を待ちましょう。
最終回をより深く楽しむために、これまでの人間関係やキャストの背景を予習しておくと、感動が倍増するはずです。
出典まとめ
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