TBS金曜22時枠の新ドラマ『フェイクマミー』がついにスタートしました。
主演は波瑠さんと川栄李奈さん。
「偽りの母親契約」という衝撃的な設定ながら、第1話では派手さよりも”心のリアリティ”が静かに胸を打つ展開に。
東大卒で仕事を失った薫と、自由奔放に生きるシングルマザー茉海恵。
まるで正反対の2人が偶然出会い、”偽の家族”を演じることから始まる物語です。
そこに登場する少女・いろは(池村碧彩さん)のまっすぐな瞳、そして”ニセパパ”黒木竜馬(向井康二さん)の意味深な存在――。
すべての出会いが”フェイク”のようでいて、どこか温かい。
本記事では、そんな第1話の見どころをストーリー・脚本・演技の3つの軸から徹底レビューします。
『フェイクマミー』第1話レビュー|”偽ママ契約”が始まる衝撃の初回
第1話は、”家族”という言葉の意味を静かに問いかける物語でした。
主人公の花村薫(波瑠さん)と日高茉海恵(川栄李奈さん)は、まったく違う環境で生きてきた2人の女性。
けれど偶然の出会いをきっかけに、互いに欠けていたものを補い合うようにして”偽りの家族契約”を結びます。
初回放送では、この「契約」がどんな背景で生まれたのか、そして彼女たちがそれを通して何を得ようとしたのか――その始まりが丁寧に描かれました。
リアリティのある会話劇と温かい映像のトーンが重なり、重苦しさよりも”共感”や”やさしい違和感”を感じさせる構成。
放送直後からSNSでは、「意外と深いテーマ」「演技合戦がすごい」と注目が集まりました。
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放送情報と初回視聴の印象まとめ(波瑠×川栄李奈の新境地)
TBS金曜22時枠の新ドラマ『フェイクマミー』(主演:波瑠さん×川栄李奈さん)は、2025年10月10日に放送スタート。
タイトル通り”フェイク(偽の)ママ”という設定ながら、初回から感情のリアリティが際立っていました。
波瑠さんが演じる花村薫は、東大卒の元大手商社勤務。
キャリアと理想を両立できず、転職活動に苦戦している女性です。
一方の川栄李奈さんが演じる日高茉海恵は、元ヤン出身のベンチャー企業社長。
幼い娘を1人で育てるシングルマザーという設定で、彼女の自由さと強さが同時に描かれていました。
監督は『海のはじまり』のジョン・ウンヒさん。
淡い光の使い方や会話の”間”にこだわる演出で、心の揺れが繊細に伝わってきます。
SNSでは放送直後から「テンポが心地いい」「言葉の裏が怖いけど温かい」といった感想が多く、TVerランキングでも放送直後から15位台をキープ。
派手な事件や恋愛ではなく、“現代を生きる女性たちの等身大の痛みと再生”がテーマになっているのが印象的でした。
花村薫と日高茉海恵、正反対の2人が出会う瞬間
『フェイクマミー』の第1話で最も印象的だったのは、やはり花村薫(波瑠さん)と日高茉海恵(川栄李奈さん)の初対面シーンです。
境遇も性格もまるで違う2人が、偶然出会い、そこから”偽ママ契約”という奇妙な関係に踏み出す――この出会いの瞬間が、ドラマ全体のテーマを象徴しています。
薫は、東大卒で商社勤務を経て、現在は転職活動中。
完璧主義で理屈っぽい一方、他人と深く関わることが苦手なタイプです。
一方の茉海恵は、元ヤンキーという経歴を持ちながら、自分の感情に正直で、ビジネスでも人との関係でも”本音”を貫くタイプ。
まるで「理性と本能」「計算と直感」という真逆の人間像が、ひとつの空間に並んだような対比が際立ちます。
最初の出会いは偶然ながら、どこか必然めいた空気が流れていました。
茉海恵が仕事に追われ、娘・いろはの送り迎えを頼める相手を探していたタイミングで、薫が再就職面接で偶然訪ねた会社が茉海恵のベンチャー企業――という展開。
一瞬の会話の中に、社会で生きる女性同士の”目に見えない疲労感”や”立場の違いによるズレ”がリアルに描かれており、セリフ以上に表情や間で関係性が立ち上がっていくのが見事でした。
再就職に苦戦する薫と、奔放な社長・茉海恵の対比
薫は、面接の場で「東大卒」「商社出身」という肩書きを示しながらも、採用担当者から”過去の栄光にしがみついている人”という印象を持たれてしまいます。
プライドと不安の間でもがく彼女の姿は、働く女性なら誰もが少なからず共感してしまうはず。
一方の茉海恵は、自由奔放で破天荒。
元ヤン時代の仲間と作ったベンチャー企業をぐいぐい引っ張りながら、シングルマザーとして娘を育てています。
彼女の言葉には勢いとリアルがあり、「子どもがいるからこそ、強くなるしかなかった」というセリフには、彼女の過去の痛みと誇りがにじんでいました。
第1話ではこの2人の出会いが、まるで”鏡合わせ”のように描かれます。
互いの生き方を見て、自分にないものを感じ取る――。
「真逆なのに、なぜか惹かれる」という人間ドラマの原点が、たった1話の中に凝縮されていました。
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契約家族の提案が生まれるまでのリアリティ
物語が動き出すのは、茉海恵の一言から。
「うちの娘の”お母さん”を一日やってくれない?」――この突拍子もない依頼が、やがて”偽ママ契約”のきっかけになります。
普通なら冗談で終わるような話を、薫が受け入れてしまう理由にも、社会的リアリティがあります。
彼女は、仕事にも家庭にも”居場所がない”という現実を抱えており、その言葉が妙に心に刺さった。
茉海恵の奔放さの裏にある”孤独”、薫の冷静さの奥にある”空虚”――互いの足りない部分を補うようにして、この契約が成立する瞬間はとても静かで切ない。
ドラマとしての派手さではなく、「こういう関係もありえるのかもしれない」と思わせる説得力があり、脚本家・園村三さんの観察眼の鋭さを感じます。
いろはの存在が物語を動かす|池村碧彩の演技に注目
第1話の中で最も心を揺さぶったのは、娘・いろは(池村碧彩さん)の存在です。
彼女はまだ6歳ながら、誰よりも周囲を観察し、大人たちの感情の機微を察している”静かな語り部”のような役どころ。
この作品が単なる”偽家族の物語”ではなく、”誰かを理解しようとする優しさの物語”に変わるのは、間違いなく彼女の視点があるからです。
宇宙が大好きで、星や惑星の話を夢中で語るいろは。
一見、天真爛漫に見えて、その実、母・茉海恵(川栄李奈さん)の忙しさや孤独を誰よりも感じ取っている。
そんな繊細な心を、池村碧彩さんは”演技しているように見えない自然さ”で表現していました。
セリフが少なくても、目の動きや息づかいで心情を伝える力があり、彼女が画面に登場するたびに物語が柔らかくなるのを感じます。
「アーニャ役で話題になった子」が見せたリアルな表情
池村碧彩さんといえば、実写CMなどで『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』のアーニャ役を演じたことで一躍注目を集めた子役です。
その印象から、”元気で天真爛漫なキャラ”を想像していた視聴者も多いでしょう。
しかし、『フェイクマミー』での彼女はまったく違います。
感情を抑えながらも、時折見せる小さな笑顔や、母親を見上げる一瞬の視線に、子どもらしい切なさと大人びた理解が混ざっていました。
特に印象的だったのは、薫(波瑠さん)と初めて一緒に夕食を囲むシーン。
言葉は少ないのに、視線のやり取りだけで”この人は信じてもいいのかも”という心の変化が伝わってくる。
この瞬間こそ、物語の”フェイク”が”リアル”に変わり始めた瞬間だったように思います。
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第1話で描かれた”子どもの感受性”の描き方
園村三さんの脚本が巧みなのは、大人の事情で動く世界の中に、子どもの視点を軸に据えていることです。
いろはは物語の中で唯一、”偽り”を持たない存在。
そのまっすぐな感性が、薫と茉海恵の関係を少しずつ変えていきます。
第1話のラストで、いろはが小さくつぶやく「ほんとのママと、ほんとのままがいい」というセリフ。
この一言が、タイトル『フェイクマミー』の意味をまるごとひっくり返すような深さを持っていました。
“フェイク”という言葉に潜む痛みとやさしさを、子どもの口から出させる――この脚本の構成には新鮮な切なさがあります。
池村碧彩さんの存在が、このドラマの”中心点”であり、視聴者の心を動かす最大の要素でした。
園村三脚本が描く”嘘から始まる家族”のリアル
『フェイクマミー』の第1話を見終えたあとに残るのは、「本当の家族とは何か?」という問いでした。
この問いを、温かさと痛みの両面から描き出したのが、脚本家・園村三(そのむら・みつる)さんです。
本作は、彼が「TBS NEXT WRITERS CHALLENGE」で大賞を受賞したオリジナル脚本をもとに制作された作品。
デビュー作でいきなりゴールデン枠の連ドラという異例の抜擢ですが、第1話の完成度を見れば、その理由がよく分かります。
園村さんは46歳で脚本家デビュー。
もともとは地方でサラリーマンをしていた方で、調布市のシナリオ講座を修了してからわずか2年で大賞受賞という”遅咲き”の新人です。
この背景が象徴するのは、まさに”キャリアの転機”と”再出発”――つまり、花村薫という主人公の人生と重なります。
園村さん自身が積み重ねてきた「人生の寄り道」や「社会に馴染めない苦しさ」が、そのまま台詞の端々に息づいていました。
46歳デビュー作に込めた社会へのまなざし
園村さんの脚本には、”優しさの中にある痛み”が通底しています。
第1話では、成功も失敗も経験した大人たちが、再び誰かと関わる勇気を取り戻していく姿を描いており、それが視聴者に強い共感を呼びました。
薫(波瑠さん)は「社会の中で自分の価値を見失った女性」、
茉海恵(川栄李奈さん)は「社会のルールに馴染まない強さを持つ女性」。
この対比を通じて描かれるのは、“女性の生きづらさ”そのものです。
特に印象的だったのは、茉海恵が言う「”普通”って言葉、あんた誰が決めたの?」というセリフ。
この一言が、現代の視聴者に対して突き刺さるテーマそのものであり、園村さんが伝えたかった”多様な家族の形”へのまなざしを象徴しています。
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ワーママと独身女性のすれ違いをどう描いたか
『フェイクマミー』の面白さは、いわゆる”女性同士の対立”を描きながらも、そこに安易な優劣をつけていない点です。
薫は安定を求め、茉海恵は自由を求める――どちらも間違っていない。
むしろ、2人が互いの生き方に刺激を受けながら、自分を見つめ直していく過程に、園村脚本の人間味が滲み出ています。
そしてこの構造は、現代社会における”分断”の縮図でもあります。
子育てをしている女性と、独身でキャリアを築く女性。
互いに理解し合えないまま、それぞれの正義を抱えて生きている。
園村さんはそこに「嘘」という仕掛けを置き、偽りの関係がいつしか本当の絆に変わる過程を丁寧に描いていきます。
第1話の脚本を見て感じるのは、”家族の再定義”というより、”他者との共存”の物語。
ラストで向井康二さん演じる黒木竜馬が登場し、物語が「ニセパパ」へと拡張していく流れも、そのテーマの延長線上にあります。
SNSでは「スパイファミリーに似てる?」の声も|実際の違いを検証
第1話放送直後、SNS上では「雰囲気がスパイファミリーっぽい」「偽家族の設定が似てる」という投稿が少なからず見られました。
確かに、“偽の家族”という共通点だけを切り取れば似ているように思えるかもしれません。
しかし、実際にドラマを見た人なら分かる通り、『フェイクマミー』は方向性も描き方もまったく異なります。
本作が扱うのは、スパイやアクションではなく、現代社会に生きる女性たちの孤独と再生。
“家族ごっこ”を通じて、社会との距離・働くこと・母になることの意味を問い直すという、非常に現実的なテーマです。
だからこそ、第1話を見た視聴者の間では、「似てるというより、むしろ正反対」「現代のリアル版家族物」といった声も多く上がっていました。
共通する“偽家族”モチーフと、描く方向性の決定的な差
『スパイファミリー』の「偽家族」は、スパイ・暗殺者・超能力者という極端な設定を通して、“家族を演じるうちに本物になっていく”という理想を描いています。
一方、『フェイクマミー』の“偽家族”は、もっと地に足のついた現実を描いています。
薫(波瑠さん)は、「もう誰にも必要とされないかもしれない」という不安から、茉海恵(川栄李奈さん)は、「誰も助けてくれない」という孤独から、それぞれ“偽りの関係”を選ぶ。
この2人が互いに依存し、支え合いながら成長していく過程に、脚本家・園村三さんの社会的視点が込められています。
つまり両作品に共通しているのは「偽りの関係から生まれる絆」というモチーフですが、『スパイファミリー』が理想的な家族像を“夢”として描くのに対し、『フェイクマミー』は現代の社会で“生きる現実”として描く。
この立ち位置の違いが、物語の質感を大きく分けています。
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SNSの誤解を超えて、“独自のリアルドラマ”へ
放送翌日には、Yahoo!ニュースやModelpressなどでも「スパイファミリー似」という言及が見られましたが、SNSでは次第に「内容は全然違う」「これは女性のリアルを描いた社会ドラマ」と評価が変化していきました。
特に、第1話を最後まで見た人の間では、
「“フェイク”なのに、ちゃんと心がある」
「嘘の関係が、こんなにも温かいのは脚本の力」
といった感想が多く、単なる話題性の比較を超えて“作品としての完成度”が注目されています。
園村三さんの脚本は、他のドラマの流行をなぞるのではなく、「現代の家族とは何か」「“必要とされる”ことの意味は何か」を掘り下げたオリジナルストーリー。
似ているかどうかではなく、「私たちの現実に近い物語」として見てほしい作品です。
第1話の余韻と次回への期待|”ニセパパ”登場が意味するもの
『フェイクマミー』第1話のラストは、物語の空気を一変させる衝撃の一幕でした。
薫(波瑠さん)と茉海恵(川栄李奈さん)が”偽ママ契約”を結び、ようやく少しずつ心を通わせ始めたその矢先。
向井康二さん演じる黒木竜馬が登場し、「ニセパパ」として契約に加わる展開が明らかになります。
それまで静かなヒューマンドラマとして進んでいた物語に、急に”第三者の視点”が入ることで、一気に関係性のバランスが揺らぎ始める。
このタイミングで彼を登場させた構成が、脚本家・園村三さんの巧みな計算を感じさせます。
“ニセパパ”がもたらす新たな化学反応
黒木竜馬は、薫と茉海恵、それぞれに対して異なる”鏡”のような存在。
彼の言動を通じて、薫は自分の中の弱さと向き合い、茉海恵は本当の意味での”信頼”を試されることになります。
向井康二さんの演技は、明るく見えてどこか影を感じさせる絶妙なトーン。
彼が加わることで、これまで女性同士の静かな関係性だった世界に”揺らぎ”と”ユーモア”が生まれました。
SNSでも放送後すぐに「まさかの康二くん登場で一気に空気変わった」「ニセパパってワードが強すぎる」と話題に。
その一方で、「これからどう絡んでくるのか全く読めない」「全員フェイクなのに、誰かが本物になりそう」という期待の声も上がっています。
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第2話以降のテーマは”嘘の中の本音”
第1話の構成から考えると、第2話以降では「嘘の関係を通して本音に気づく」というテーマがより明確になっていくはずです。
“フェイク”を選んだ人たちが、嘘を守るためではなく、本当に誰かを支えたいから続ける関係へと変化していく——その過程が、今後の最大の見どころになりそうです。
黒木竜馬の登場によって、物語は”女性同士の絆”から”人間同士の共存”へとスケールアップ。
誰が本当の家族なのかではなく、”家族のように誰かを想うこと”の意味が問われる展開になるでしょう。
園村三さんの脚本は、表面的な人間関係のドラマではなく、”誰かと関わる痛みと希望”を描くヒューマンドラマです。
第2話以降、嘘がどんな真実に変わっていくのか——このタイトルが”優しい意味”に変わる日が、きっと来るはずです。
まとめ文
『フェイクマミー』第1話は、”偽りの家族契約”という設定の裏に、現代を生きる女性たちの孤独や再生をそっと描いたヒューマンドラマでした。
波瑠さんと川栄李奈さんという異なるタイプの女優が、それぞれの弱さと強さをぶつけ合う姿は見応えたっぷり。
そして、池村碧彩さんの透明感ある演技が、作品にぬくもりを添えています。
脚本を手がけた園村三さんの視点には、”人は何度でもやり直せる”という希望が感じられ、物語の芯にあるやさしさが心に残りました。
ラストで登場した”ニセパパ”黒木竜馬の存在が、今後の関係をどう変えていくのか──次回からますます目が離せません。
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