フジテレビ系ドラマ『新東京水上警察』第5話(2025年11月4日放送)は、デビュー目前の女性アイドルグループ「Re Rise」を襲った悲劇を軸に、”赦し”と”保身”の狭間を描いた重厚な回でした。
細野由起子(山口紗弥加さん)の「言葉はちゃんと届いてた」という一言に涙した視聴者も多く、SNSでは「胸が苦しいけど見応え抜群」とトレンド入りする盛り上がり。
華やかな世界の裏で積み重なる”悪い選択”の連鎖、そしてそれを見つめる刑事たちのまなざしが、現代社会のリアルを突きつけます。
今回はそんな第5話を、事件の構造・社会的テーマ・人間ドラマの三層から読み解いていきます。
アイドルの死が突きつけた現実──”Re Rise”事件の真相を追う
第5話は、デビュー目前の女性グループ「Re Rise」をめぐる悲劇が水面下の圧力を可視化しました。
現場で起きたのは、一人の悪ではなく、小さな保身や沈黙がゆっくり積み重なる”連鎖”。
北原萌歌さんの遺体発見から検視で溺死と分かり、碇拓真さん(佐藤隆太さん)が関係者の証言を拾い上げていくほど、誰もが「今は波風を立てたくない」と弱音まじりの合理性に押されていたことが浮き彫りになります。
華やかな売出し、炎上回避、組織のメンツ――どれも”正しい”言い訳に見えるのが厄介なんですよね。
SNS上でも「悪い選択の重なり」「胸が苦しい」という声が広がり、ミステリの解明以上に”止められたはずの瞬間”を読者に探させる余韻が残りました。
あなたなら、どこでブレーキを踏めたと思いますか。
(公式サイト: https://www.fujitv.co.jp/suijo_keisatsu/)
“言葉はちゃんと届いてた”が胸を打つ理由──細野由起子の赦しと再生
細野由起子さん(山口紗弥加さん)が、湾岸署時代に補導した少女をずっと気にかけていた過去。
ここに第5話の鼓動があります。
「言葉はちゃんと届いてた」という一言は、あの時の介入が無駄ではなかったと私たちにも伝えてくれるんですよね。
厳しさと優しさのバランス、距離を詰めすぎない背中の押し方。
照明を落とした画の”間”や無音の呼吸が、台詞以上に温度を乗せます。
山口紗弥加さんの目線芝居がすっと胸に差し込んで、時間差で効いてくる。
刑事の”職務”より”人を手放さない姿勢”が先に立ち上がるから、涙にも納得が宿ります。
SNSでも「救いが遅れて届く感じがたまらない」「苦しいのに温かい」といった共感が多く、由起子さんの物語はこのシリーズの体温を決めていると感じました。
(TVerエピソードページ: https://tver.jp/episodes/epca5dagsz)
SNS社会に潜む”正義の暴走”──ネットと保身のリアリズム
目を逸らしづらかったのが、ネット時代の”見せる正義”と”守る保身”の綱引きです。
オーディション番組ブームの熱狂、デビュー前後の情報管理、そして炎上回避のための箝口令。
どれも正論に見えるのに、SOSは後回しになりがち。
X(旧Twitter)でトレンド入りして盛り上がる一方、「後味が悪い」「保身ばかり」というため息が同じ速度で拡散し、視聴者の可視化された感情がドラマの重みをさらに増幅させました。
作品が照らしたのは犯人像ではなく”加担の構造”。
私たちが日常的に押す拡散ボタンに、どれだけの重さが乗っているのか――静かな反省を置いていく設計が巧いです。
(公式X: https://x.com/suijo_keisatsu)
山下美月・加藤シゲアキ・佐藤隆太の演技が支える”人間ドラマの厚み”
群像としての呼吸が合うと、物語は説明より”伝播”で進みます。
有馬礼子を演じる山下美月さんの腕まくりと晴れやかな表情は、小さなギアチェンジで視聴者の心拍を上げるトリガーでした。
日下部峻の加藤シゲアキさんは、有能さと自意識の混ざり合いを愛嬌に転化し、緊張の中にふっと抜け道を作ってくれる。
碇拓真の佐藤隆太さんは”受けの強さ”で画面の温度を安定させ、全体の土台を支えます。
目線、沈黙、息づかい――台詞の外側でキャラクターが呼吸している感覚が心地よくて、「泣ける」「ハラハラできる」「ところどころ笑える」の三拍子が自然にそろいました。
視聴後のSNSが温まるのも納得ですね。
(YouTube予告: https://www.youtube.com/watch?v=jN6Ch5BC_-s)
感動と後味の狭間で──第5話が投げかけた”罪と赦し”の問い
ラスト数分は、光と影を同じ部屋に置いたような緊張感。
Re Riseの”仲の良さ”という一筋の救いと、保身の連鎖が生んだ取り返しのつかなさが同時に視界に入ってきます。
由起子さんの言葉は届いたのに、届かなかった瞬間の悔しさも一緒に照らしてしまうから、涙の温度が複雑になるんですよね。
「辛い…」と「見応え抜群」が同居したタイムラインの空気は、そのまま作品の狙いを体現していました。
第6話(11月11日[火]21:00)は、有馬礼子のさらなる一歩、日下部峻の揺れの先、そして”赦し”の輪郭がどこまで描かれるのかに注目です(放送情報:https://www.fujitv.co.jp/suijo_keisatsu/)。
まとめ
「新東京水上警察」第5話は、アイドル業界の光と影、ネット時代の正義と保身、そして細野由起子さんの”遅れて届く救い”を一本の線で結びました。
泣けた、モヤっとした、それでも目が離せない――この混線こそが今作の魅力なんですよね。
次に読むなら、キャスト別深掘り、視聴率推移、相関図まとめへどうぞ。
水面は揺れても、中心には”人を手放さない心”が確かにありました。
出典まとめ
- 番組公式サイト(放送情報・スタッフ・各話案内):https://www.fujitv.co.jp/suijo_keisatsu/
- TVer 第5話ページ(配信情報):https://tver.jp/episodes/epca5dagsz
- 公式X(最新告知・ハイライト):https://x.com/suijo_keisatsu
- YouTube予告(次回映像):https://www.youtube.com/watch?v=jN6Ch5BC_-s
- 原作情報(吉川英梨『新東京水上警察』シリーズ):https://ja.wikipedia.org/wiki/新東京水上警察シリーズ
- めざましメディア(作品関連紹介):https://mezamashi.media/articles/-/214556




