台風3号「ムーン」の進路、気象庁の予報を見たあとに米軍やヨーロッパの図も目にすると、「あれ、言っていることが少し違う…?」と感じていませんか。
昨日は本州に接近すると言われていたのに、今日になったら日本の東へ離れていく予報に変わっていたり。
情報が更新されるたびに、どれを信じればいいのか分からなくなって、かえって不安な気持ちになってしまいますよね。
実は、それぞれの予報にはちょっとしたクセや特徴があり、そのポイントを知るだけで、なぜ予報に違いが生まれるのか、どうして進路が変わったのか、という理由まで立体的に見えてきます。
各機関の情報の見方が分かれば、今後の影響もぐっと冷静に判断できるようになりますよ。
【最新】2025年台風3号ムーンの現在地 米軍(JTWC)・ヨーロッパ(ECMWF)気象庁の最新進路予想を比較!
7月5日土曜日、台風3号「ムーン」は、昨日よりもさらに勢力を強めながら日本の南の海上を北西に進んでいます。
週末に入り、レジャーやイベントなどへの影響を心配されている方も多いのではないでしょうか。
各国の気象機関から発表される最新の進路予報にも、少しずつ変化が見られます。
日本の気象庁、米軍(JTWC)、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の3機関の予報を比較すると、北西へ進むという大きな流れは共通していますが、日本列島に最も近づくタイミングや、その後の進路の曲がり方については、まだ少し異なる見解が示されています。
例えば、ヨーロッパ中期予報センターのモデルでは、他の2機関よりもやや東寄りのコースをたどる可能性を示唆しており、この微妙な違いが、来週前半の各地の天気にも大きく関わってきそうです。
SNS上では「自分の住んでいる地域は直撃するのか?」「いつから雨風が強まるのか?」といった声も多く見受けられますが、現時点ではまだ予報円に大きな幅がある状態です。
これは、台風の進路を決定づける太平洋高気圧の勢いや、偏西風の位置といった、他の気象要素の予測がまだ定まっていないことを意味しています。
一つの予報に過度に安心したり、不安になったりせず、複数の情報を照らし合わせながら、最新の状況を冷静に見守ることが大切です。
引き続き、こまめに最新の情報を確認し、早め早めの備えを心がけていきましょう。
【最新】2025年台風3号ムーンの現在地・気象庁

【7月5日9時更新】台風は「強い」勢力に発達。今後の進路と影響は?
7月5日(土)の午前9時、気象庁から台風3号「ムーン」に関する最新情報が発表されました。
台風は日本の南海上を時速15kmで北北西へ進んでおり、注目すべきは、昨日よりもさらに勢力を強めている点です。
中心気圧は985ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30m/sに達し、気象庁の定める「強い」勢力にランクアップしました。
これは、高速道路での車の運転が困難になるほどの風で、細い木の幹が折れたり、看板が落下したりする危険性も出てくるレベルの強さです。
多くの方が気にされている今後の進路ですが、気象庁の最新の予報によりますと、台風は今後、進路を東寄りに変えながら日本の東の海上を北上し、来週前半には温帯低気圧に変わる見込みです。
このため、本州の広い範囲で直接的な影響が出る可能性は低いと考えられています。
ただし、台風が日本の東を通過する影響で、太平洋側沿岸部には南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなります。
このため、特に週末にかけては、関東から東北の太平洋側を中心に、局地的に雨雲が発達し、急な強い雨や落雷、突風に見舞われる可能性があります。
また、沿岸部では波が高くなる「土用波」にも注意が必要です。海水浴やマリンレジャーを計画されている方は、海の状況に十分お気をつけください。
台風の直接的な上陸はなさそうですが、間接的な影響には引き続き注意が必要です。
テレビやラジオ、気象庁のウェブサイトなどで最新の情報を確認し、安全な週末をお過ごしください。
海面温度もチェック
海面温度も見てみましょう。

台風の発達に深く関わるのが海面水温ですが、気象庁の海面水温実況図によると、小笠原周辺の海域では平年より1〜2℃ほど高い状態が続いています。
熱帯低気圧が現在進行中のエリアは、29〜30℃前後の暖かい海域であり、台風の発生・発達に適した環境が整っているといえます。
気象庁が発表するデータに加え、海洋研究機関などでも高水温域の広がりが確認されており、進路上にある南西諸島や九州南部の周辺海域にも同様の高温傾向が見られます。
こうした背景から、気象庁は「台風となった場合、発達のスピードが早まる可能性もある」として、注意喚起を強めています。
ウェザーニュース

この先は日本への影響なし
台風3号(ムーン)は日本の東にあって、北東に進んでいます。
この後は日本の東の海上を東寄りに進み、来週前半に熱帯低気圧になる見込みです。
この先は日本への影響はない見込みです。
【最新】2025年台風3号ムーンの現在地・米軍(JTWC) 日本時間7月5日 3:00発表


米軍合同台風警報センター(JTWC)からも、日本時間の7月5日午前3時に台風3号に関する最新情報が発表されました。
JTWCでは気象庁の「台風3号」という呼び方とは別に、「04W」という管理番号が使われています。
これは、2025年に北西太平洋で発生が確認された4番目の熱帯低気圧(W=West Pacific)であることを示す、米軍独自の識別名です。
多くの方が注目されているその進路予想ですが、昨日の予報から大きく変化しています。
最新の予報図に実線で示された最も可能性の高いコースを見ると、台風は進路を北東方向に変え、日本の東の海上を離れていく進路をとることが濃厚になりました。
昨日時点では予報の誤差範囲を示す水色のエリア(コーンと呼ばれます)に関東地方などが含まれていましたが、今回の更新で本州の陸地は完全にその範囲から外れています。
このことから、JTWCの予報においても、台風が日本に上陸する可能性は無くなったと見てよいでしょう。
一方で、台風の勢力については依然として注意が必要です。
最新の発表では最大風速が60ノットとされており、これを日本の気象庁が用いる秒速(m/s)に換算すると約31m/sに相当します。
これは気象庁が「強い台風」と分類する基準(33m/s以上)に迫る強さであり、2つの機関が同じレベルの勢力だと評価していることがわかります。
台風の直接的な脅威は去りましたが、これほど強い勢力のまま日本の東海上を通過するため、太平洋側の沿岸部には「うねり」を伴った高い波が届くおそれがあります。
週末に海の近くへ行かれるご予定の方は、波の高さに関する情報にも、引き続きご注意ください。
【最新】2025年台風3号ムーンの現在地・ECMWF 日本時間 7月4日 21:00発表
7月4日21時の天気図

7月5日21時の予想

7月6日21時の予想

7月7日21時の予想

7月8日21時の予想

7月9日21時の予想

ECMWFの予想をWindyで動きを見よう!
Windyとは、ECMWF(中期予想センター)の予想を動画にしているサイトです。
ECMWFが1日刻みの予想を発表になりますが、Windyだと1時間刻みの動きを見ることができるので、より動きがわかりやすいのです!
Windyの場合、1時間刻みの動画で見れるので、より動きがわかりやすいです。
2025年台風3号【ムーン】の名前の意味や命名国は?
結論から述べると、「ムーン(Muun)」は北西太平洋で使われる国際的な台風名の一つで、命名国はミクロネシアです。
ミクロネシアが提出した「ムーン」は、現地語で「6月(June)」を意味し、2025年台風3号に割り当てられました。
ミクロネシアはアジア太平洋台風委員会(Typhoon Committee)に加盟しており、メンバー14カ国・地域がそれぞれ10個ずつの名前を事前提出して、計140の名称リストから順に用いられています。
このリストは5〜6年程度で一巡し、同じ名前が再利用されますが、特に甚大な被害をもたらした台風名は委員会の要請により除外・差し替えされることもあります。
「ムーン」という言葉は英語の“Moon(月)”とは異なり、現地語で6月を指すための名称です。
日本などのメディアでも「ムーンのタマゴ」という表現が混ざり、「ムーン=月」と誤解されることがありますが、由来は全く異なります。
命名の背景には、ミクロネシアの文化や季節感を反映した名称という特徴もあります。
台風の番号や名前も付け方をわかりやすく説明しよう!思ったよりも簡単だよ
米軍・合同台風警報センター(JTWC)とは
合同台風警報センターとは英語表記ではJoint Typhoon Warning Center(JTWC)といい、アメリカ海軍とアメリカ空軍がハワイ州真珠湾海軍基地に共同で設置した、アメリカ国防総省の機関なのです。
北西太平洋・南太平洋とインド洋で発生する熱帯低気圧を偵察するとともに予報や警報を発し、国防総省および他の合衆国政府の諸機関を支援する任務を負います。
また、熱帯低気圧および津波に関して、アメリカ艦隊総軍司令官の指示により、主に海軍の沿岸施設および軍艦と軍用機を含む艦隊の諸資産を対象とする意思決定を支援する機関なのです。
なぜ米軍がここまでするのかというと、日本には米軍基地があり、アジアにも多くの米軍の部隊が派遣されているので、日本などの東アジアの天気も観測する必要があるということで設置された機関なのです。
当たる確率が90%の天気予報と人気を集めており、SNSやアプリ、テレビなどの様々な媒体でコンテンツがあります。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)とは
ヨーロッパ中期予報センターは英語表記ではEuropean Centre for Medium-Range Weather Forecastsと言って1975年に設立された国際組織で所在地はイギリスのレディングにあります。
- 中期気象予報のための数値解析手法を開発すること
- 中期気象予報を作成し、加盟国に配信すること
- これらの予報を向上させるための科学的・技術的研究を行うこと
- 適切な気象データを収集し保管すること
という目的で作られた機関で、
ヨーロッパ地域の
アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク
以上の18カ国が加盟しています。
加盟国以外にも、
アイスランド、エストニア、クロアチア、スロベニア、セルビア、チェコ、ハンガリー、モロッコ、リトアニア、ルーマニア
以上の10カ国がECMWFと協力関係を樹立しているのです。
まとめ
今回は、刻一刻と情報が変化した台風3号「ムーン」について、気象庁・米軍・ヨーロッパの最新情報を比較しながら、その動向を詳しく解説しました。
発生当初は本州へ接近するコースも心配されましたが、最新の予報では日本の東の海上へ離れていく進路が確実となり、まずは胸をなでおろした、という方も多いのではないでしょうか。
今回の台風を通して、一本の予報線に一喜一憂するのではなく、複数の機関の情報を比較し、予報円が示す「可能性」の意味を正しく理解することが、いかに冷静な防災行動につながるかを改めて感じていただけたかと思います。
台風の直接的な影響はなくなりましたが、油断は禁物です。最後に、この週末に心に留めておきたいポイントをまとめました。
- 海のレジャーは波の高さを必ず確認 台風が遠くにあっても、そのエネルギーは「うねり」として沿岸に届きます。見た目は穏やかでも急な高波が来るおそれがあるため、海水浴や釣りなどを予定している方は、必ず最新の波浪情報を確認してください。
- ゲリラ豪雨のおそれに注意 台風に向かって流れ込む暖かく湿った空気の影響で、大気の状態が不安定になっています。特に太平洋側では、晴れていても急に激しい雨や雷に見舞われる可能性があります。空の様子の変化に気を配りましょう。
このページでは、今後発生が予想される台風についても、信頼できる最新情報を迅速に、そして分かりやすくお伝えしていきます。
ぜひブックマークしていただき、ご自身や大切な方の安全を守るための一助としてご活用ください。
また、ご家族やご友人にも、台風情報の見方や日頃の備えについて話すきっかけとして、この記事の情報をご共有いただけますと幸いです。
皆様が安全な週末を過ごせることを心から願っております。
大きい地域にお住まいでしたら、この記事の情報を共有し、安全を呼びかけあっていただけると幸いです。
