年に数回は必ず耳にする台風発生のニュースですが、そもそも台風って何?と聞かれた時にすぐに答えることができますか?
単純に「風が強くて雨がたくさん降る」と言っても、台風でなくでも強風や大雨なども起こるので、風や雨の量や強さだけでは説明ができているとは言えませんよね。
台風が発生したと発表されてから認識する前にタマゴがいると聞いたりすることもあると思います。
では、台風が発生するという定義は何なのか。
今回は、台風は具体的にどういう物なのか、台風の発生とはどういうことを指すのかなどをお伝えします!
台風の定義とは
温帯低気圧って何かということをお伝えする前に、台風の定義はわかりますか?
温帯低気圧よりも台風の方が印象が強い人が多いと思いますが、この台風の定義がわからないと温帯低気圧に変わるという意味も説明しにくいので、まずは台風の定義をお伝えします。
台風は熱帯低気圧が勢力を増して、中心付近の最大風速が34ノット(秒速17m/s)を超えたら台風となります。
日本でこれを判定する場合、気象庁の専門家がさまざまな気象データを比較しながら中心付近の最大風速を推定し34ノットを越えていそうだと確信を持つことができれば、台風の発生を宣言します。
データの読み取り方によって、最大風速が34ノット以上なのか未満なのかの判定が分かれることがあるので、各国の観測機関によって台風だと宣言するタイミングが変わるのです。
そう考えると米軍合同台風警報センター(JTWC)のほうが判定基準として少し宣言が早くなる傾向があると考えられるのかもしれません。
北西太平洋地域では、日本の気象庁の判断が国際的には公式のものと定められているのです。
だからといって、JTWCの判断は非公式で間違ったものだというわけではありません。
国際的に記録に残すときなどに、複数の機関のものをすべて載せるわけにもいかないので、北西太平洋地域では、日本のものを採用しているのでしょう。
海外ではタイフーン(Typhoon)と呼ばれている
台風というのは、海外でタイフーン(Typhoon)と呼ばれていますが、この台風及びタイフーンは、北西太平洋(正確には北半球の東経100度〜東経180度)に位置する勢力の高いTropical Cyclone=トロピカル・サイクロン(日本で言うところの熱帯低気圧)のことを言います。
台風は日本基準の定義があり、タイフーン(Typhoon)は国際基準の定義で発生したと判断されます。
つまり厳密に言うと発生と判断する定義が少し違うのです。
しかし、発生したと判断された場合は、タイミングのズレはあってもどちらでも発生と判断されることが多いでしょう。
そして発生すると一つ一つに名前が付けられます。
その年の発生順で「○号」と呼ぶのは日本国内だけでの呼び名になります。
ハリケーン(Hurricane)との違いは?
海外でハリケーン(Hurricane)が起こったというニュースを聞くことがあると思います。
台風と同様にハリケーンが去った後には大きな被害が起きている映像などが出てきますよね。
ハリケーンもタイフーン(台風)も同じ定義なのです。
どちらもTropical Cyclone=トロピカル・サイクロン(日本で言うところの熱帯低気圧)の強力なものを指しており、定義は同じです。
しかし、ハリケーンは北部大西洋、東部北太平洋(北半球の西経140度より東)、中部北太平洋(北半球の西経140度〜西経180度)および南東太平洋(南半球の東経160度より東)に位置するトロピカル・サイクロンのことを指します。
つまり、発生する場所で呼び名が変わるだけで、同じものになるのです。
ハリケーンもタイフーンと同じように名前が一つ一つに付けられます。
竜巻は台風の一種なのか
海外の大きな災害をもたらすもので、ハリケーンが出てきたら、竜巻も出てきますよね。
日本国内でもありますが、海外ではとんでもなく大きな規模の竜巻が起こります。
竜巻もトロピカル・サイクロン(台風やハリケーン)と同じように、低気圧の渦を作っているという点では似ていますが、発生の仕方や規模などが違い、全く別のものだと考えられています。
竜巻の直径は100m-1000m、トロピカル・サイクロンの直径は100km-1000kmと規模が全く違います。
しかし、トロピカル・サイクロンが起こす荒れた天気が原因で、竜巻が発生するということはあります。
まとめ
発生したという基準は案外簡単だと感じる人も多いでしょう。
風速が基準だったのです。
しかし、台風自体が実は熱帯低気圧の一種類だと言うのは意外だったかもしれません。
熱帯低気圧が強力になったら台風になるということで、他に気圧も関係はありますが、気圧が基準ではなく風速が基準と考えると、あまり難しくないですよね!
勢力が弱まった時に「熱帯低気圧に変わった」と伝えられるのはこのことを指しているのです。
中学2年生の理科の授業で教わると言われている台風についてですが、知っているのか知らずにただ発生を伝えられているのかでは、天気予報を聞いてても、わかりやすさが全然違うと思います。
これを頭に入れておけば、台風の対策などもしやすくなるかもしれませんよ!