2025年の台風4号「ダナス」が発生しましたね。
テレビやネットで最新の進路予想図を見て、「気象庁と米軍で言っていることが少し違う?」「ヨーロッパの予報が一番正確って本当?」なんて、情報が多くてかえって戸惑っていませんか。
一つの情報だけを信じて良いのか、どれを基準に備えを考えればいいのか、迷ってしまいますよね。
特に、刻一刻と変わる状況の中では、どの情報が一番新しいのか追うだけでも大変です。
ここでは、日本の気象庁、アメリカの米軍(JTWC)、そしてヨーロッパ(ECMWF)という、主要な3つの機関が発表する台風4号の最新情報を並べて比較しています。
それぞれの予報のクセや見方を知ることで、なぜ予報に違いが生まれるのかが分かり、より落ち着いて今後の動きを予測できるようになります。
現在地から今後の進路まで、多角的な視点で一緒に確認していきましょう。
【最新】2025年台風4号ダナスの現在地 米軍(JTWC)・ヨーロッパ(ECMWF)気象庁の最新進路予想を比較!
台風3号「ムーン」が過ぎ去るのを待っていたかのように、日本の南の海上で新たな「台風のタマゴ」である熱帯低気圧が成長し、2025年7月5日の午前3時、ついに台風4号「ダナス」となりました。
この「ダナス」という名前は、フィリピンが提案したもので、「経験すること」という意味があるそうです。
台風の名前は、アジアの国々などが加盟する「台風委員会」によって140個があらかじめ決められていて、発生順に使われています。
日本の気象庁はもちろん、米軍合同台風警報センター(JTWC)も、この熱帯低気圧が台風へ発達する可能性を早くから指摘していました。
米軍(JTWC)は、台風になる一歩手前の段階で「TCFA(熱帯低気圧形成警報)」を発表します。
これは、衛星写真で雲の渦がはっきりしてきたり、周りの海水温が高かったりと、台風に成長する条件が整ったと判断されたサインで、「もうすぐ台風になりますよ」という公式な予告のようなものです。
現在、各国の気象機関がその進路を予測していますが、少しずつ見解が異なっているのが面白いところです。
日本の気象庁は、私たちの生活に密着したきめ細やかな予報を出すのが特徴で、台風の中心が70%の確率で入ると予測される範囲を「予報円」で示します。
一方、米軍(JTWC)は、もともと軍事行動の安全確保を目的としているため、短期間の進路予測の精度に定評があります。
そして、ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)は、世界中の気象機関が参考にするほど、少し先の天気までを見通す中期予報の精度が高いことで知られています。
ただ、生まれたばかりの台風は進路が定まりにくく、各機関の予測にも大きな幅があります。
これは「アンサンブル予報」という手法で予測しているためです。
この手法では、コンピューターシミュレーションを行う際に、少しずつ条件を変えた複数のパターンを計算させます。
その結果がバラければバラけるほど、予報の不確実性が高いということになり、予報円が大きくなるわけです。
最新の予報では、台風4号はゆっくりと北上し、来週には沖縄に接近する可能性が示唆されています。
進路によっては沖縄地方で大雨や高波、暴風となる恐れがあるため、まずは目前に迫りつつある台風への備えを考えつつ、今後発表される最新の情報に注意を払う必要がありそうです。
【最新】2025年台風4号ダナスの現在地・気象庁

気象庁の最新発表によると、昨日まで「台風のタマゴ」として監視されていた熱帯低気圧は、2025年7月5日の午前3時、フィリピンの東の海上(北緯15.5度、東経134.5度)で、ついに台風4号「ダナス」になりました。
台風になったことで、気象庁からはおなじみの「進路予報図」が発表されています。
そもそも「台風のタマゴ」である熱帯低気圧が、いつ「台風」に昇格するのか、その基準をご存じでしょうか。
決め手となるのは風の強さで、気象庁は中心付近の最大風速が秒速およそ17.2メートル(風力8)に達したものを台風と定義しています。
昨日の時点では最大風速15m/sと、あと一歩及んでいませんでしたが、勢力を強めてこの基準を超えた、ということです。
台風情報でよく目にする「ヘクトパスカル(hPa)」という単位は、中心気圧を表しており、この数字が低いほど、周りの空気を吸い込む力が強い、つまり台風の勢力が強いことを示します。
発生当初の1004ヘクトパスカルから、現在は998ヘクトパスカルまで下がっており、少しずつ発達している様子がうかがえます。
そして、台風になると発表されるのが、進路図に描かれる「予報円」です。
これは、台風の中心が70%の確率で到達すると予測される範囲を示したもので、円が大きいほど、進路のブレが大きく、予測が難しいことを意味します。
勘違いされやすいのですが、この円の大きさが台風そのものの大きさや暴風域の広さを示しているわけではありません。
円の外側でも大雨や強風の可能性は十分にあるため、注意が必要です。
現在の予報円を見ると、台風4号はゆっくりと北西に進み、来週には沖縄や奄美地方に近づく可能性が示されています。
まだ進路が定まっていない部分も多いため、気象庁が発表する今後の情報から目が離せません。
海面温度もチェック
海面温度も見てみましょう。

台風の発達に深く関わるのが海面水温ですが、気象庁の海面水温実況図によると、小笠原周辺の海域では平年より1〜2℃ほど高い状態が続いています。
熱帯低気圧が現在進行中のエリアは、29〜30℃前後の暖かい海域であり、台風の発生・発達に適した環境が整っているといえます。
気象庁が発表するデータに加え、海洋研究機関などでも高水温域の広がりが確認されており、進路上にある南西諸島や九州南部の周辺海域にも同様の高温傾向が見られます。
こうした背景から、気象庁は「台風となった場合、発達のスピードが早まる可能性もある」として、注意喚起を強めています。
ウェザーニュース

台風4号(ダナス)が発生
台風4号(ダナス)は南シナ海にあって、北東に進んでいます。今後はゆっくりと北東に進む予想です。
来週にかけて台湾付近から東シナ海方面に進んで、進路によっては沖縄・先島で湿った空気が流れ込みやすくなり、雨の強まる可能性があります。
周辺の海域では波も高くなるため注意が必要です。
【最新】2025年台風4号ダナスの現在地・米軍(JTWC) 日本時間7月5日 3:00発表


米軍合同台風警報センター(JTWC)は、昨日7月4日には「TCFA(熱帯低気圧形成警報)」を発表し、台風のタマゴがまもなく生まれることを予告していましたが、その見立て通り、日本時間の7月5日午前3時にフィリピン東方で熱帯低気圧が台風の勢力になったと発表しました。
これによりTCFAは解除され、本格的な監視体制へと移行しています。
面白いのが、JTWCがこの台風に付けた名前です。気象庁は「台風4号」と呼んでいますが、JTWCは「台風番号05W」として情報を出しています。
この番号のズレに「あれ?」と思う方もいるかもしれませんね。
これは、JTWCがその年に北西太平洋(記号の”W”はWestern Pacificのこと)で発生した台風未満の熱帯低気圧も含めて通し番号を振るためで、気象庁の台風号数とは必ずしも一致しないのです。
JTWCの最新情報によると、台風05W(ダナス)はゆっくりと北上し、数日後には沖縄の南へ達する進路が予想されています。現在の最大風速は35ノットと解析されています。
「ノット」は船の速さなどで使われる単位ですが、台風情報では風速を表し、1ノットは秒速およそ0.514メートルです。
つまり35ノットは秒速約18メートルとなり、気象庁が台風と定義する基準(秒速17.2メートル)をわずかに上回った、まさに生まれたての台風であることが分かります。
JTWCの進路予報図は、気象庁の「予報円」とは少し見た目が違う「コーン」と呼ばれる円錐状の形で示され、米軍の活動に影響がないかという視点から、特に数日先の短期的な予報に強いとされています。
気象庁の予報と合わせて見ることで、台風の進路をより多角的に捉えることができるでしょう。
【最新】2025年台風4号ダナスの現在地・ECMWF 日本時間 7月4日 21:00発表
7月4日21時の天気図

7月5日21時の予想

7月6日21時の予想

7月7日21時の予想

7月8日21時の予想

7月9日21時の予想

ECMWFの予想をWindyで動きを見よう!
Windyとは、ECMWF(中期予想センター)の予想を動画にしているサイトです。
ECMWFが1日刻みの予想を発表になりますが、Windyだと1時間刻みの動きを見ることができるので、より動きがわかりやすいのです!
Windyの場合、1時間刻みの動画で見れるので、より動きがわかりやすいです。
2025年台風4号【ダナス】の名前の意味や命名国は?
フィリピンの東で発生した熱帯低気圧が台風へと発達した場合、その名は台風4号「ダナス(Danas)」となります。
この「ダナス」という名前はフィリピンが提案したもので、現地の言葉で「経験すること」「感じること」といった意味を持つ言葉です。
「日本の台風なのに、なぜ海外の名前が付けられるの?」と不思議に思われるかもしれませんが、これには国際的なルールがあります。
北西太平洋で発生する台風の名前は、実は日本を含む14の国と地域が加盟する「台風委員会」という組織によって決められているのです。
この委員会では、各メンバー国が10個ずつ、その国になじみのある言葉や動植物、神様の名前などを提案します。
そうして集まった合計140個の名前がリスト化されており、台風が発生するたびに、そのリストの順番通りに名前が付けられていく仕組みです。
ちなみに、先に発生した台風3号「ムーン」はミクロネシアが提案した名前で、現地語で「6月(June)」を意味していました。
台風の番号や名前も付け方をわかりやすく説明しよう!思ったよりも簡単だよ
米軍・合同台風警報センター(JTWC)とは
合同台風警報センターとは英語表記ではJoint Typhoon Warning Center(JTWC)といい、アメリカ海軍とアメリカ空軍がハワイ州真珠湾海軍基地に共同で設置した、アメリカ国防総省の機関なのです。
北西太平洋・南太平洋とインド洋で発生する熱帯低気圧を偵察するとともに予報や警報を発し、国防総省および他の合衆国政府の諸機関を支援する任務を負います。
また、熱帯低気圧および津波に関して、アメリカ艦隊総軍司令官の指示により、主に海軍の沿岸施設および軍艦と軍用機を含む艦隊の諸資産を対象とする意思決定を支援する機関なのです。
なぜ米軍がここまでするのかというと、日本には米軍基地があり、アジアにも多くの米軍の部隊が派遣されているので、日本などの東アジアの天気も観測する必要があるということで設置された機関なのです。
当たる確率が90%の天気予報と人気を集めており、SNSやアプリ、テレビなどの様々な媒体でコンテンツがあります。
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)とは
ヨーロッパ中期予報センターは英語表記ではEuropean Centre for Medium-Range Weather Forecastsと言って1975年に設立された国際組織で所在地はイギリスのレディングにあります。
- 中期気象予報のための数値解析手法を開発すること
- 中期気象予報を作成し、加盟国に配信すること
- これらの予報を向上させるための科学的・技術的研究を行うこと
- 適切な気象データを収集し保管すること
という目的で作られた機関で、
ヨーロッパ地域の
アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、トルコ、ノルウェー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク
以上の18カ国が加盟しています。
加盟国以外にも、
アイスランド、エストニア、クロアチア、スロベニア、セルビア、チェコ、ハンガリー、モロッコ、リトアニア、ルーマニア
以上の10カ国がECMWFと協力関係を樹立しているのです。
まとめ
今回は、新たに発生した2025年の台風4号「ダナス」について、気象庁・米軍(JTWC)・ヨーロッパ(ECMWF)の最新情報を比較しながら、その現在地と今後の進路予想を詳しく解説しました。
記事を読み進める中で、各機関の予報には「台風4号」と「05W」といった呼び方の違いや、「予報円」と「コーン」という図の違いがあること、そしてそれぞれの予報が持つ特徴や背景までご理解いただけたかと思います。
専門用語が多くて難しく感じがちな台風情報も、見方がわかると、ご自身の安全を守るための心強い情報になる、と感じられたのではないでしょうか。
現時点での各国の予想を総合すると、台風4号は今後ゆっくりと北上し、来週にかけて沖縄や奄美地方へ接近する可能性が高いようです。
このページでは、今後も最新の情報が入り次第、進路予想図などを随時更新していきます。
ブックマークしていただくことで、いつでも最新の状況をご確認いただけます。
また、ご家族やご友人など、大切な方へもこの記事の情報を共有し、皆様での早めの対策にお役立てください。
台風への備えは「早すぎる」ということはありません。
今後の情報に注意し、ご自身の安全を第一に、落ち着いて行動してくださいね。
