日本に住んでいると台風というのは、年に数度襲われてしまうこともありますが、「台風が温帯低気圧に変わる」という天気予報を聞いて、台風がいなくなったのかとホッとする事はありませんか?
その認識は間違っています!!
温帯低気圧というのは、台風の定義から変化してそう呼ばれるのですが、風速なども台風とは変わらず勢いがあり、接近してきたら危険なことは台風と変わりません!
中学校の授業で習っているはずだけど、そんなこと覚えてないよという人も多いでしょう。
今回は、台風と温帯低気圧、さらに熱帯低気圧の違いについてお伝えします!
台風と温帯低気圧、熱帯低気圧の違い
台風情報などを見ていると、「温帯低気圧になった」とか「熱帯低気圧が発達して台風になる」とか聞くことがあると思います。
特に紛らわしいのは「台風が温帯低気圧に変わります」「台風は熱帯低気圧に変わります」この2つの文章をパッと見ると、ほとんど同じようなものに感じますよね?
まさに似て非なるものなのです。
台風が熱帯低気圧に変わるということ
台風というのは、熱帯低気圧の一部なのです。
つまり、台風は熱帯低気圧の風などの勢力が強くなって、台風だと定義づけられたものというだけなのです。
それが、熱帯低気圧に変わるということは、実にシンプルです。
「勢力が弱くなって、ただの熱帯低気圧になったよ」ということなのです。
どういうことかと言うと、台風の定義に「熱帯低気圧」「最大風速が基準値=34ノット(秒速17m/s)以上」という2つのことがあります。
つまり、台風だったけど、台風の定義を満たさない熱帯低気圧=風速が基準値を下回って勢力が弱くなったということになるのです。
だから天気予報で、「台風が熱帯低気圧に変わりました」というのは、勢いが弱くなったよということにもなります。
最近のテレビの天気予報は過剰に親切なので、ここまで教えてくれるかもしれませんが、ちゃんと聞けなかったなんて時は、台風の勢力が弱くなったと考えて間違いはありません。
でも勢力が弱まったと言っても、熱帯低気圧は通常よりは強い雨風になる可能性はあるので、100%安全ということでないので、注意も必要です。
そして一度熱帯低気圧になっても、またそこから勢力が強くなって台風に復活するということもあるので、近くを通過する時は、完全に通過するまでは、警戒したほうが良いです。
台風が温帯低気圧に変わるということ
ここが本日の本題と言っても良いかもしれませんね。
台風が温帯低気圧に変わったというのは、つまり熱帯低気圧ではなくなっただけということです。
先でも出てきた台風の基準の「熱帯低気圧」「最大風速が基準値=34ノット(秒速17m/s)以上」のうち熱帯低気圧ではなくなったから、温帯低気圧になったと伝えられているということです。
つまり最大風速が基準と上回っていようが、下回っていようが関係なく、「台風は温帯低気圧になりました」と言われてしまうのです。
そのため、温帯低気圧になったけど勢力は変わらず上陸するという可能性はあるのです!
そこに冷たい空気が入り、暖かい空気だけでなくなってしまった時に温帯低気圧に変わったと表現されます。
一度冷たい空気が入ると暖かい空気だけに戻るというケースはかなり稀で、熱帯低気圧や台風に戻るという可能性は低いと考えられます。
温帯低気圧になって、台風よりも勢力が強くなったということは過去にもあります。
そのため、天気予報で「台風が温帯低気圧になりました」という言葉を聞いた時は、台風情報と同様に勢力や進路には十分注意が必要になります。
まとめ
温帯低気圧と熱帯低気圧、「温」と「熱」で似たような感じを使っていますが、全然違うものだと思ったほうが良いですね。
ちなみにこの温帯低気圧のことは中学2年生の理科で台風などと一緒に学ぶのです。
だから天気予報は、誰もが知っていてもおかしくはないはずのことという認識で、そこまで詳しく説明してくれないのかもしれませんね。
そう考えると究極的に考えると、自分の身を守るのは自分だということになってしまいますね。
温帯低気圧の怖さを知っているかどうかで、警戒の仕方や対策なども変わってくるでしょう。
これからの台風情報を見るときには、台風の進路予想が途中でなくなり、その低気圧が「温帯」なのか「熱帯」なのか気をつけながら見たり聞いたりしましょう!